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♪Questo♪Momento♪ 第3番「流れ落ちるきらめきのあとに」
 モーツァルトのピアノ・ソナタでは、ヘ長調K.533+494が最も好き。
 旧モーツァルト全集では第18番、新全集では第15番とされているものですね。
 DENONのピリス、ヘブラー盤などでは第15番と表記されていますが、まだまだ第18番とされることが多い。
 やはり第15番といえば、あの有名な可愛いソナティナの印象が強いので、定着しにくいことでしょう。

 K.533+494という特殊な番号であるのは、アレグロとアンダンテに、その1年半ほど前に書いた小さなロンドK.494を改訂して加え、3楽章のソナタとしたから。

 なぜ第3楽章を新しく書かなかったのでしょうか。

 モーツァルトの意思とは関係なく 出版社 (友人であったホフマイスター) によってくっつけられたという説もありますが、ソナタとする際 手を加えているのですから、それこそモーツァルトがソナタとする意図があった証拠でしょう。

 デッカ・レーベルのプロデューサーで、モーツァルト研究家でもあったエリック・スミス (指揮者ハンス・シュミット-イッセルシュテットの息子) は、モーツァルト自身の意思ということを前提として、第1, 2楽章の内容に匹敵する終楽章を書きあぐねたのだろう と考えています。

 モーツァルトが書きあぐねた なんてこと想像したくないという感じがしますが、作曲のいきさつからすると やはりそう考えるのが妥当でしょうか。

 それに第2楽章:アンダンテがそれほどすごい音楽であるとは確か。
 私は第1楽章の前に とりあえず聞いてしまいます。

 静かで安らぎに満ちた第1主題。
 それが優しく高揚したあと第2主題。−中でも特に好きな部分はここ!

 第1主題の最初の4音が低音で静かに奏され、それは半音階的に優しく流れ落ちる 美しい音のきらめきを伴うのですが、それが突然表情を崩すかように 不安げに 不気味に変化するのです。
 しかしその後 あわてて取り繕うかのような上昇音形。何事もなかったかのように また優しい表情に戻るのです。
 涙を拭き拭き、お見苦しいところをお見せしてしまってすみません、、、という感じ。

 しかし展開部では この4音をもとに対位法的な動きを伴って、不安定で不思議な響き。

 再現部もまともに再現せず、思いがけないエピソードを伴って 穏やかな表情と崩れた表情を行き来するのです。

 続く第3楽章:ロンドの主題は、童心を感じさせるように無邪気であると同時に、自動人形かオルゴールの音楽のような無表情な感じもします。
 芸術的な2つの楽章とは相容れないもので、木に竹を接ぐようという意見もあるようですが (大勢?)、私は逆に妙味を感じます。

 533+494という特殊な番号によって 重要ではないと思われがちであるとすれば、何とも残念なことです。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 01:51
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