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♪Questo♪Momento♪ 第23番「道化たちのマヌケなやりとり」
 先日購入したLP、ラインスドルフの「フィガロの結婚」を棚にしまう時、どんなLPをまだ持っているか (何を処分し 何を残しているかよく判らなくなっていますので) 見ていました。

 中学2年の時 自分で買った初めてのLPが、アンセルメのロシア管弦楽曲集 (SLC8024)。
 ナツカシー!
 それを父の部屋のステレオで初めて再生した時のこと、いまだに覚えています。
 期待に反して チャカチャカと いやにせわしない「禿山の一夜」が聞こえてきたのです。
 プレイヤーの設定が45回転になっていたのですね。父がそれに気づいて33回転のボタンを押してくれました。

 LP購入記録を引っ張り出してきました。埃に鼻を刺激され くしゃみをしながら。
 それを見てみますと…

 2枚目がアンセルメの「展覧会の絵」(SLC8009)、3枚目はオーマンディのチャイコ:交響曲第4番 (SOCT5)、4枚目はハイティンクの「春の祭典」(FH10)。この3枚は後年 処分してしまいました。
 5枚目がアンセルメのデュカス:「ラ ペリ」他 (GT9206)、6枚目がサージェントのシベリウス*管弦楽曲集 (EAC30057)、7枚目がアンセルメの「兵士の物語」「プルチネッラ」(GT9212)。
 この3枚はいまだに残してあります。

 当時 ロシアの管弦楽曲が好きだったのですね。そして なぜかアンセルメを信頼していました。
 しかし当時 「兵士の物語」と「プルチネッラ」はよく解りませんでした。
 おそらく3大バレエのような かっこいい音楽を期待していて、イメージが違っていたのでしょう。

 しかし のちに好きになりました。だからこそ処分を免れたわけです。
 特に「プルチネッラ」は、ストラヴィンスキーの中で 私が最も好きな作品と言っていいでしょう。道化を思わせる軽妙洒脱な楽しさ!
 ソロイスティックな楽器の使用と その音色の組み合わせの妙、そして 早変わりのように気分がすばやく変化していくところ。
 ストラヴィンスキーには難解な曲も少なくありませんが、この曲は本当に平明で、どこもかしこも気が利いている。

 アンセルメのLP、かけてみました。針を落としたのは何年ぶりでしょう。

 あ、組曲版です。聞くだけなら 歌入りのバレエ全曲よりも コンパクトに楽しさが詰まった組曲版がいい。


 バレエ音楽としての「プルチネッラ」は1919年 バレエ・リュス(ロシア・バレエ団) のために書かれた作品。
 18世紀初頭 ナポリで盛んになったイタリアの喜劇的な仮面劇 (コンメディア デッラールテ) をテーマとしており、プルチネッラは道化師。
 音楽はその同時代同地で活躍した (ただし早世) ペルゴレージを素材として用いられている −はずだったのですが、現在では 多くがペルゴレージではない作曲家の作品 (ドメニコ・ガッロ、ファン ヴァッセナール伯、アレッサンドロ・パリゾッティ他) であることが判っているとのことです。

 1920年 パリ・オペラ座にて初演。
 舞台・衣装のデザインはパブロ・ピカソ、台本・振付はレオニード・マシーン! そして指揮はアンセルメ、当時37歳。
 人気を博し、何度も再演されたとのことです。
 1922年には組曲版が完成、その初演はモントゥー指揮 ボストン響でした。
 さらにその後「イタリア組曲」として室内楽用編曲をおこなっていますから、当時からの人気ぶりが伺えます。


 一ヶ所好きな部分を選ぶとなると難しい…。
 第2曲「セレナータ」、いいですねぇ。
 イタリア・バロックのオーボエ協奏曲の緩徐楽章を思わせるメランコリックなメロディ。この原曲は確かにペルゴレージとのこと。

 また そこから切れ目なしにスケルツィーノに入り、気分がコロっと変わるのもいい。
 しかもこのスケルツィーノは アレグロ、アンダンティーノと 調子を変えていく。
 高音のヴァイオリンが主導しての せわしない舞曲「タランテッラ」も もちろん楽しい。
 そして また間を入れずに トランペット・ソロによるトッカータ!

 2つの変奏を伴うガヴォットは 貴族的という感じの優雅な曲。管楽器の組み合わせの色彩感。やや快活に変奏します。

 でもやっぱりこれですね! 第7曲:ヴィーヴォ。
 トロンボーンとコントラバスのデュエット。その意外な組み合わせの妙。
 屁のようにグリッサンドを放つトロンボーンと、ギコギコとぶきっちょに鳴らすコントラバスの掛け合いは、まるで道化ふたりによる軽妙でマヌケなやりとり。ケッサクです!

 もちろん第1曲、ミヌエットから終曲も素敵。この組曲には飛ばしたい部分なんてありません。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 20:18
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