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♪Questo♪Momento♪ 第25番「陽と陰に揺れる一葉」
 以前 定期配信していたメルマガには、音楽をはじめとした いろいろなことを適当に綴ったコーナーがありました。
 そのコーナーのタイトルは「ブンテ ブレッター」だったのですが、これはシューマンのピアノ曲集の名からとったもの。
 「雑記帳」と訳されるところから名づけたわけです。
 メルマガを不定期とし「ブンテ ブレッター」もやめて、その後 ブログに百人一首を紹介するコーナーを作ったのですが、そのタイトルが「いろとりどりの歌」。
 これは「雑記帳」をやめた替わりに始めたということで、「ブンテ ブレッター」のもうひとつの訳「色とりどりの小品」からとったのです。
 和歌は小品なんだから そのまま「色とりどりの小品」でよかったなと、今になってちょっとだけ後悔したりしています。

 “Bunte Blätter”
 bunt を辞書で調べてみますと、色の付いた・色とりどりの・いろいろな・雑然とした などという意味が載っています。
 一方 blatt は 葉・楽譜・ページ など。

 それまで つれづれなるままに書いていて いつしかたまっていた小品を纏めたもの ということのようですので、不揃いのものを寄せ集めた作品集 という意味なのでしょう。
 形は悪いが いろいろな味が楽しめる「お徳用 割れせんべい」みたいなものでしょうか。

 わたしがこの作品を好きになったのは 数年前のこと。
 以前 YAHOOブログで交流していて、その後 ショップ開店後から現在まで時々お買い物をしていただいている “MIUさん” にいただいた1枚のCDがきっかけなのです。

 江尻南美さんというドイツ在住のピアニストの小品集。その名も「色とりどりの小品集 Bunte Blätter」。

 江尻さんは MIUさんのお友達の娘さんで、MIUさんは彼女の追っかけをされているのですね。大阪にコンサートで来られた時には お誘いいただきました。

 そのアルバムに収録されているのは「ブンテ ブレッター」全曲ではなく、5つのアルブムブレッター (江尻さんのCDでは「アルバムの綴り」と訳されていますが これも訳が難しいですね) の部分だけなのですが すっかり好きになり、その後 全曲を楽しむようになりました。

 「ブンテ ブレッター」は、3つの小品、5つのアルブムブレッター、ノヴェレッテ、前奏曲、行進曲、夕べの音楽、スケルツォ、速い行進曲からなっています。

 開始の「3つの小品」の第1曲:Nicht schnell は、美しいおとなの女性を想像させる いかにも優美で麗しい音楽で のっけから魅了されてしまいます。

 5つのアルブムブレッターは、第1曲:Ziemlich langsam の内向的な暗さ、疾風のようなSchnellに続いて 第3曲:Ziemlich langsam は密やかで夢見るようなワルツ、陰鬱な第4曲:Sehr langsam、そして第5曲:Langsam は密やかな憧れ。
 病に臥せる薄幸の少女の想いなんかを想像させる音楽です。

 ところが「前奏曲」はごく短い曲ながら ショパンの練習曲Op.25-12を思い出させる 短調による激しい曲。次の「行進曲」は8分ほどある最も大きな曲ですが、勇壮なマーチではなく、葬送行進曲のような陰鬱な曲想。
 ここまでくると、寄せ集めの曲ということから、あるいは開始の美しさから、全体的には気楽に聞ける曲だろうという想像が見当違いであることに気づかされます。

 そして「夕べの音楽 Abendmusik」。特に好きな部分はここ!
 陰鬱な鐘の連打とうめき声のような短い序奏。これも陰鬱な曲想… と思いきや、微妙に明るい気分が。軽妙な弾みのあるメロディは モーツァルトの「フィガロの結婚」のアリア「もう飛ぶまいぞ」の「Delle belle turbando il riposo」の部分を思い起こさせます。
 しかし明るくなりきらず、曲想は展開せず、ずっと弱音で 陽と陰のはざまを行き来するのです。
 通常の意味の出来からすると、5つのアルブムブレッターが白眉でしょうが、私はどうも気になるんです。ほっとけないんです。

 最後の「速い行進曲」も短調によっていて、華やかで快活なフィナーレとはなりません。
 シューマンの有名ピアノ作曲に勝るとも劣らない と言うつもりはありませんが、寄せ集めの小品集でもシューマンはシューマン。意味深さを感じさせます。

 
 実力派 江尻南美さんのCD (PPCA610) 私物でございます
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 00:43
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