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♪Questo♪Momento♪ 第26番「景気のよかった新世界より」
 もうひと月ほど前になるでしょうか。
 きっかけは何だったかは忘れたのですが、「ウェストサイド ストーリー」のマンボを聞きたくなって、ユナイト映画のオリジナル・サウンド トラックのCDを取り出しました。
 確かダンス・パーティーの場面だったな と。
 …しかし ないではありませんか。頭が混乱してきました。
 まさか有名なあの曲をカットすることはないだろう。マンボという曲名ではなかったのか? 
 しかし全トラックの出だしを聞いてみてもない。
 「ウェストサイド ストーリー」の曲ではなかったっけ???

 ブックレットに答えがありました。「マンボ、このアルバムでは省略」 −信じられません…。
 私が持っているのは1983年発売のCD。おそらく その後発売された分には収録されているでしょう。
 ついでに このサウンド トラックを全部聞いたのですが、大学時代に買ったCDをいまだに残しているだけあって、このミュージカルの音楽、好きなんですよね。
 「百曲一所」で取り上げることに決定。
 バーンスタインには いずれ取り上げようと思っている曲があるのですが。
 まさか 100選にバーンスタインが2曲 “入集” となってしまうとは思ってもみませんでした。 −別に悪いわけではないんですけど。

 「ウェストサイド ストーリー」は、レナード・バーンスタイン作曲、スティーヴン・ソンドハイム作詞のブロードウェイ・ミュージカル。1957年初演。
 ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス監督のユナイト映画は1961年。
 私が生まれる前!? もう50年も前なんですね! オドロキです。

 ジェローム・ロビンズ原案、アーサー・ローレンツ脚本によるストーリーは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の現代アメリカ版。縄張りをめぐる2つの不良少年グループの争いと、それによって犠牲となる一組の恋人を描いています。

 確かあったはずと探して 見つけ出したビデオ。これも大学時代、レンタル・レーザー・ディスクから録画したものだったでしょうか。
 久しぶりに見てみましたが、正直 この青春ストーリーを受け入れるには 年をとってしまったという感じ。
 お目当ての場面までで見るのはやめてしまいましたが、しかし一方で 移民国家アメリカの問題点 というテーマは昔よりもずっと意識して見ることができたことでしょう。
 つまり ふたつの不良グループは イタリア系移民 (ジェッツ) とプエルト リコ系移民 (シャークス)。
 新天地を求めて「新世界」にやってきた彼らとその家族。しかし待ち受けていたのは差別と貧困。不良行為でしか彼らは自分の存在意義を見出せないわけです。

 さて、お目当ての場面とは「アメリカ」と「ジー, クラプキ巡査!」。マンボとともに特に好きな曲はこの2曲です。
 「クラプキ巡査」は、ジェッツたちが 目を付けられている警官などの真似をしながら、自分たちの非行は家庭環境の悪さのせいと 諧謔的・自虐的に歌う歌。

 一方「アメリカ」はシャークスとその彼女たちの歌と踊り。プエルト リコへの郷愁とアメリカへの嫌悪を口にする男たちと、アメリカを讃える彼女たちとのやりとりです。
 変拍子による いかにも南米らしい、ノリのいい、底抜けに明るいダンス音楽。う〜ん 大好き!
 ところが 歌詞はシビアなんですね。

 アニタ Puerto Rico My heart's devotion Let it sink back in the ocean! …
     プエルト リコ 憧れの島 海に沈んでしまえ!
     いつもハリケーンが吹き荒れ いつも人口は増加
     借金を抱え 太陽が降り注ぎ 原住民が怒ってる
     私はマンハッタンが好き よく考えてごらんよ!


 ここまでは導入部で、ここからが速くて快活なダンス。歌詞は抜粋で。

 女 I like to be in America Okay by me in America Everything free in America
   アメリカ大好き アメリカいかしてる アメリカじゃ全てが自由!

 男 オレたちには賃金安いけどね

 女 クレジットで買い物ができるなんてカッコイイ!
 男 オレたちには倍もぼったくりやがるけどね

 女 摩天楼がそびえ、キャデラックが行きかい、景気のいいアメリカ!
 男 一部屋に12人のアメリカ!

 女 広くて新しいアパートがいっぱい!  男 オレたちは門前払いだけどね

 女 アメリカでは人生は輝く!      男 もしアメリカで戦っていけるならね

 女 アメリカでは人生はバラ色!     男 もし白人ならね

 そのあと男たちはアメリカの怖さを訴え、リーダー ベルナルドは「サン ホアンに帰りたいな、向こうじゃ皆が快く迎えてくれる」と。
 すると恋人アニタは「皆もそのうちにここに来るわよ!」

 移民たちの厳しい生活が歌われているのです。
 ただ 男たちが不満タラタラであるのに対し、女たちはカッコイイ大都会のほうがいい。
 それは彼女たちだけに限ったことではなく、女性に共通する傾向と言っていいでしょうね。
 ただし オリジナルのブロードウェイ版では 女たちだけによる歌です。また 映画版では冒頭部分にカットがあり、歌詞の変更もあります。

 ***

 
 大学時代1986年に買ったCD (CBS*35DP59) ですが、ひょっとして 現在所持している最も古いCDになるのではないかと思い、調べてみたところ やはりそうでした。
 それまでに買ったもので、後年買いなおしたものはいくつかあるのですが、ずっと持ち続けているのはこれが最古。
 それにしても「マンボ」がカットされていることを覚えていなったのは不思議です。

 ***

 余談ながら、アニタ (リタ・モレノ) は オセロ中島に、ジェッツのアクションは 往年のバリトン歌手アルド・プロッティに似ています。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 00:37
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