RSS | ATOM | SEARCH
♪Questo♪Momento♪ 第40番「優雅さは明るいスリルに表情を変え」
 ボッケリーニといえば 一昔前は “ボッケリーニのメヌエット” で有名という程度でしたが、古楽が盛んになって 取り上げられる機会が増え、徐々にその魅力が広く知られるようになっていったというところでしょう。

 ルイージ・ボッケリーニはイタリアの作曲家で、ハイドン、モーツァルトなどと同時代に活躍 (生没年1743-1805)。
 とはいえ 彼の代表的な活動の場はウィーンではなく、1769年から15年ほどのスペイン・マドリード。ドン ルイス皇子付きのチェロ奏者兼作曲家でした。
 彼の肖像画といえば チェロ演奏姿のものが有名ですが、まさにその通り チェロ演奏家としても高名で、チェロ協奏曲、チェロ・ソナタ、チェロ2本を要する弦楽五重奏曲を多く残しました。
 現代のボッケリーニ認知にアンナー・ビルスマの存在は大きいわけですが、古楽チェリストである彼がボッケリーニの紹介に尽力することはごくしぜんなことであったでしょう。

 私がボッケリーニの魅力を知ったのは、ビルスマと その名もボッケリーニ四重奏団の共演CDが最初でした。
   
    CHANNEL CLASSICS*CCS3692

 ボッケリーニQは、山縣さゆり、若松夏美、スヴィールストラ、鈴木秀美と、日本の古楽の第一人者中心。
 確か「レコ芸」の海外盤視聴記で紹介されているのを見て 興味を持ち、買ってみたのだったと思います。1992年の発売のようですので、その年か翌年だったでしょう。

 アルバムの最初に収められているのが 小弦楽五重奏曲 (クィンテッティーノ) 変ホ長調Op.27-4 (G.304)
 作曲は1779年。やはりスペイン宮廷時代の作品です。

 第1楽章:ソステヌート、第2楽章:テンポ ディ メヌエットからなる10分ほどの小曲ですが、この曲に魅了されました。
 なんと優雅なことか。ソナタ形式ではなく、小難しいことは言いっこなし。柔らかく 心地よい響きは まさに貴族の娯楽のための音楽です。

 この曲の最大の特徴は、第1楽章で第1チェロが高音で演奏し、前半ではヴァイオリンを差し置いてソロ的な活躍をすること。
 これはもちろん、ボッケリーニが主導的な立場をとって、その技術の披露するためであったでしょう。
 序奏部からいきなりの主役。かなり技巧的。ビルスマの軽々としたテクニック! ボッケリーニもこんな風に軽やかに鮮やかに弾いたのでしょうか。
 快活な主題は 5人協調して。
 しかし最後に高音チェロの小さなカデンツァとなるのです。

 序奏部からそのまま繰り返したあと、序奏部を変化させた部分があり、そのあとテンポを速めて新しい主題。今度はヴァイオリンを主役としてスリリングに。
 特にここが好き! 優雅な娯楽を超えます。

 スリリングと言っても長調で明るい調子。しかし優雅さを離れ、ヴァイオリンを中心として速いテンポで 細かいパッセージとなるのです。ちょっとした変化を持たせながら 結構長尺。緊張感を高めて 超絶技巧となって、音階を駆け上がり、クレッシェンドして音楽を高揚させるのです。

 しかし最後は すっと表情を整え、なにごともなかったように静かに終わります。

 第2楽章:メヌエットは春風駘蕩、優雅ですが、トリオでは また高音チェロが面白い響きを聞かせ、ファンダンゴを思わせるリズムも登場します。

 ボッケリーニはともかく多作で、作品番号を覚えるのが大変なほど (というか あたしゃ ほとんど覚えてない…)。
 どれもみなが面白いというわけではないようですが、中にキラリと光る逸品があり、それを探す楽しみがあります。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 11:31
comments(0), -
スポンサーサイト
author:スポンサードリンク, category:-, 11:31
-, -
Comment