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♪Questo♪Momento♪ 第42番「エルヴィーラ・たそがれ」
 最近 出品のためのCDで 2種の演奏を聞いたモーツァルトのピアノ曲。
 ごく小さな小品なのですが、なんともいえない不思議な魅力をたたえています。
 このところ そのメロディが頭にこびりついておりました。
 キャンプ登山の時にも そのメロディは現われ、帰ったらこれを取り上げようと。
 それにしてはちょっと遅くなりましたが…。

  メヌエット ニ長調K.355(576b)

 調べてみますと、未完の作品で、実はモーツァルトの作曲は32小節のみだったのですね (ネットで楽譜を見ることができましたが 16小節X2(繰り返し) ということのようです)。
 ロ短調のトリオは マクシミリアン・シュタドラーが付け加えたものとのこと。
 今まで知りませんでしたので、驚きました。

 成立の事情もわかっておらず、以前は1780年の作品として K.355 が与えられていたのですが、その後 1790年の作としてケッヘル第3版では K.594b とされたとのこと。ところが第6版では 1789年のピアノ・ソナタ第17番K.576の第3楽章として書き始められたものと考えられ、K.576bに。

 そんな さまよえる小曲ですが、ひとたび聞けば 誰だって 半音階的な進行と不協和音にドキッとさせられることでしょう。
 なんとも不安定な、アンニュイな気分から 微妙に表情を変化させますが、私は美しき女性の物思いを想像したりします。狂気を含んでいるのが怖いところですが、笑みを取り戻しもします。

 しかし 不協和音の小さなアタック (演奏者によっては強調される) から始まるロ短調のトリオで、狂気再び。音は激しく下降する!
 わずか11小節ながら 見事な展開です。
 −これがモーツァルトの作曲ではない!?
 シュタドラーは神父で作曲家であったということですが、わずかとはいえ これほど見事な補筆ができるなんて…。なにかの間違いではないのでしょうか…。
 なお モーツァルトの友人だったクラリネット奏者アントン・シュタドラーとは別人です。


 ところで この曲、開始の主要主題が「ドン ジョヴァンニ」のレポレッロの「カタログの歌」の一節に似ているのが面白い。
 後半部分の開始 Nella bionda egli ha l'usanza, Di lodar la gentilezza
  ブロンドの髪の女には優雅さを褒めるのが うちの旦那のいつもの手
 から似ていますが、
 それ以上に Nella bianca la dolcezza 銀髪の女には愛らしさ の部分ですね。

 物思いの女はドンナ エルヴィーラ!?
 感情の起伏が激しく 情緒不安定気味で、ストーカーのようにドン ジョヴァンニにつきまとっていたエルヴィーラ。
 しかしジョヴァンニはもうこの世にいない…。
 レポレッロに ジョヴァンニが征服した女のリスト (カタログ) を見せられたことを思い出している。
 「銀髪の女には愛らしさを褒める」
 あの人、確かにそうしたわ… 感情を高ぶらせる。

 あの人は行って行ってしまった もう帰らない…

 −いつもの妄想話、失礼いたしました。

 ちなみに「ドン ジョヴァンニ」作曲は1787年です。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 22:51
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