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♪Questo♪Momento♪ 第55番「苦悩の頂点で響く荘厳なコラール」
 久しぶりの更新となりました。新年一発目ですが、特に新年には関係ない曲。

 メンデルスゾーン:前奏曲とフーガ ホ短調Op.35-1 を。



 この曲、6つの前奏曲とフーガOp.35 の中の1曲ですが、私はこの第1番しか聞いたことがなく、取り上げるには躊躇するところですが…。

 好きな録音のホルヘ・ボレット盤を ちょっとしたきっかけから 久しぶりに聞いて 感動を新たにしたことが 久しぶりの百曲一所執筆へと掻きたてたというわけです。



 美しい分散和音が大変印象的な開始。さめざめと泣くような、いかにもメンデルスゾーンらしいメランコリックなメロディが奏されます。

 それはいかにも俗受けする音楽という感じで あまり感心するものではないのですが、その後フーガが始まり バッハ研究、バッハへの傾倒、バッハの模倣が明らかになると俄然耳をそばたてられます。

 しかもその主題は、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番BWV.1005のフーガを思い起こさせます。



 曲は静かであるものの、前奏曲の女性的なイメージから一転 硬派・知的な音楽に変わります。

 しかし徐々にテンポを加速させ、熱を帯びていきます。クレッシェンドして感情を昂ぶらせる。バッハから離れ ロマンティックな飛翔が。

 音楽はスリリングに激して ついにクライマックスに達する。



 すると突然 コラール旋律が鳴り響く! −特にここが好き!



 長調によるコラールが、悲劇的なドラマを切り裂くように 荘厳さを持って堂々と響くのです。

 コラールはゆっくりとディミヌエンド、音楽は穏やかさを取り戻していき、その後 フーガ主題が長調で穏やかに再現され、静かに曲を閉じます。



 感動的です。

 苦悩が神の声によって一気に解消、平安がもたらされるのを聞くよう。

 メンデルスゾーンのバッハへの傾倒には、音楽以前の宗教的結びつきがあることを感じずにいられません。



 ***



 YOU TUBE で ルドルフ・ゼルキンの1975年 ロンドン・ライヴを聞くことができました。

 ある程度想像できることではありましたが、柔らかいボレットとはまったく違ったタイプの演奏。

 前奏曲から荒っぽいほど力強く 硬派に、少しぶきっちょに、音楽を高揚させています。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 20:36
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