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♪Questo♪Momento♪ 第65番「友人の大作に隠れた愛すべき佳作」
 5月3日、弟の所属するアマチュア・オケのコンサートに行ってまいりました。

 プログラムは ハイドン:交響曲第88番ト長調、コダーイ:ガランタ舞曲、ドヴォジャーク:交響曲第8番。



 ハイドンの88番は改めて楽しい曲だなと。第2楽章でのトランペットとティンパニ、第3楽章トリオでのバグパイプを思わせる田舎っぽい響き。ハイドン・ユーモア満載。

 昨日 たまたまクナッパーツブッシュのライヴ録音を聞きましたが、クナが好んで取り上げたことがよく判ります。



 コダーイは最も期待していた曲。これを生で聞けるなんて。

 出だしの部分、演奏が崩れるかとヒヤッとさせられたものの、その後はいかにもハンガリーを感じさせるエモーショナルな舞曲に 演奏はノリにノッて大いに盛り上がり、感動させてくれました。

 帰ってCDで聞きましたが、洗練されているとはいえ おとなしい。仏作って魂入れずみたいに聞こえました。実演ではそんなことはないのでしょうが。



 ドヴォジャーク8番はもうなかなか聞くことのない曲。

 ま〜 ビギナーの心を捉えるようにうまくできていますよね。哀愁ある美しい旋律、派手な効果。

 若い頃は第4楽章、華麗なフルートソロの後の、ドンドン ドンガラガッタ!という ドンくさいリズムで盛り上がる部分が嫌いでしたが、今となっては逆にその部分が面白かった。

 今じゃ立派なヨーロッパの名士だが、時には北ボヘミアの血が騒ぐんじゃ! みたいな。



 第3楽章は 主部もトリオも甘いメロディ。カラヤンとウィーン・フィル (DG) ではトリオでポルタメントを充分に利かせていたのを思い出していましたが、実際聞こえてきた演奏はインテンポでえらくあっさり、にべもない。本業作曲家である指揮者さんは あの部分の いかにも人好きのする感傷性が嫌いなんだな などと感じていました。



 いやぁ アマチュア・オケでも実演は違いますわ。毎回感じることですが、実際にホールに鳴り響く音というものは CDの音と根本的に違います。

 おっと、もちろんCDにはCDの良さがありますが (オレはCD屋だった…)。



 このコンサートには 実はもうひとつの目的が。

 昨年末 大病を患って、その後 回復した弟の嫁に会うことです。



 以前とな〜んにも変わらない様子に安堵。

 口も絶好調で、演奏終了後、弟に「出が揃わないねぇ」と容赦ない。彼女はプロのヴァイオリニストだけあって厳しいのです。うつむいてうなずく弟。 -- ええコンビです☆



 一時は弟の嫁が半身不随に!? とビビっておりましたが、ホントよかったよかった。



 ***



 さて 単に鑑賞記にするだけではなく、百曲一所として ガランタ舞曲を取り上げようと思いついたのですが、どうせならコダーイの別の曲を取り上げようと。



 コダーイ:弦楽四重奏曲第2番Op.10 作曲:1916〜18年



 以前から候補に挙がっていながら、ほとんど資料がないので書けないでいたのですが (そういう曲が多いんです…)、コントラQのCDの英文ライナーノートと、ネットで見ることができた楽譜 (ただしパート別!) を資料として。



 2楽章からなり、第1楽章:アレグロ (約6分)、第2楽章:アンダンテ クヮジ レチタティーヴォ − アンダンテ コン モート − アレグロ ジョコーゾ (約12分)



 コダーイ36歳、若き日の作品です。弦楽四重奏曲はその後なし。

 調性がつけられていませんが、無調の晦渋さはありません。



 この作品、初演当時 ヨーロッパからソ連まで広く演奏され、評判となったそうです。

 しかし 同じ頃 バルトークの弦楽四重奏曲第2番が発表されており、当時の評論家の中には コダーイの弦楽四重奏曲はバルトークの単なるコピーでしかないという評価もあったとのこと。

 しかしバルトークがその評価を否定したうえ、自身のふたつの弦楽四重奏曲は コダーイの助けによる技術的な問題点の克服があったからこそ、と友人を庇護したのだそうです。



 しかし現在では バルトークの弦楽四重奏曲の名声の影に隠れ、ほとんど聞かれませんよね。

 有名弦楽四重奏団はほとんど録音しておらず、少なくともCD時代、国内盤の発売はほとんどないでしょう。

 (コダーイQのHUNGATROTON盤が昔、今はなきアルファエンタプライズから国内盤として発売されましたが、メロスQのDG録音 (第2番のみ?) は国内盤では発売されたことがないのではないでしょうか。)



 しかし バルトークの弦楽四重奏曲に恐れをなしてしまう私のような軟弱者は、コダーイのほうが心地いい。

 というか 私にはバルトークの亜流ではなく、別物に聞こえます。



 8分の6拍子と8分の9拍子が交錯する第1楽章。決して難解ではなく ノリがあり、メロディラインも聞かれる。悲劇的な様相で盛り上がります。



 第2楽章は、前半のアンダンテ部分と 後半のアレグロに分けられますが (実質3楽章のようになっている)、そのアンダンテ部分は重々しく 引き摺るようで、一見とっつきにくいながら、ここも決して難解ではない。むしろ大変情感的で 嘆きの叙唱という感じです。

 テヌートの付けられた同じ音が連続するアンダンテ コン モートの部分には irritato, molto sensibile という指示があるのが印象的。

 その後 突然 第2ヴァイオリンで軽快な舞曲がエコーのように響くのですが (アレグレット, pp, lontano)、その後 また重々しい音楽が戻ります。



 しかしアレグロ ジョコーゾに入り、明るく軽快に。−特にここが好き!

 まさしくハンガリー舞曲! ピッツィカートに乗って弾み、盛り上がるのです。

 ピウ モッソの部分から何度か現われる テヌートの連続のメロディと響きも印象的。



 この曲は本当にバルトークの影に追いやられたままであるべき作品なのでしょうか?

 バルトークほど革新的ではないにしても、一般的な人気はもっと出てもいいのでは?

 アレグロ ジョコーゾの部分なんて 弦楽合奏に編曲すれば 絶対ウケるに違いない。

 ハンガリー系の四重奏団も録音していないとすれば、もう意味がわかりません…。



 第1番ハ短調Op.2 も好きですよ。ロマン派の名残が濃いものの、それだけに親しみやすい。

 特に第2楽章:レント アッサイ, トゥランクィッロは シベリウスの抒情美を思い出させもします。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 14:33
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