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♪Questo♪Momento♪ 第66番「いずれがレモンかシトロンか」
 最近また 久しぶりに「題名のない音楽会」を見る習慣がつきましたが (とはいえ 2回に1回くらいですが)、この番組、1964年8月から続いているといいますから ホントすごいですね! 私のひとつ年上です。

 今朝もハイドンの「悲しみ」についてを見ていたのですが、ふと「オーケストラがやってきた」を思い出しました。

 若いかたはご存じないでしょうが、昔「題名」と同じ日曜朝にやっていた 山本直純司会、「題名」と同様 30分のクラシック音楽普及番組です。

 1972年10月から1983年3月まで TBS系で放送されたとのこと。

 クラシック聞き始めの中学生には、ちょっと気取った感じの黛敏郎司会(「題名」)よりも、山本直純司会のほうが明るく親しみやすかった。



 見られないかな と思って 検索してみると ---



 なんと、TBSとこの番組を共同製作していたテレビマンユニオンのサイトで 動画が見られるではありませんか!

 TVの「題名」を見るのをやめ、PCのモニターを食い入るように見る私。



 第92回 セイジ・スターンの『私は音楽家です』より

 珍しく他サイトのリンクを。

 小澤征爾とアイザック・スターンがゲストの回。このほかにも数回分 見ることができます。

 アシスタントはアグネス・チャンだと思っていましたが、ここでは うつみ宮土理。何代か代わっていたのですね。

 “青少年のための入門” 番組ですので、今見て面白いとは正直言いがたいですが、ノスタルジーで胸が締めつけられる思いがしました。



 オープニング曲は、ヨハン・シュトラウスII世の「無窮動 (常動曲)」の編曲。

 毎回会場で演奏され、曲の終盤のホルン・ユニゾンのメロディに合わせて 観客が「オーケストラがーやってきたー」と合唱する。

 大変印象的で、今でもこの曲を聞いたりすると思い出します。



 実は今回こそシューベルトを取り上げようと 5枚のCDを手元に持ってきていたのですが、このことがあって この動画を皆様にぜひ紹介したい!と。

 またまた突然の変更、ヨハン・シュトラウスII世を取り上げることにいたしました。

 もうシューベルトはいつになるか分かりません!



 ***



 J.シュトラウスII世で最も好きな作品といえば 間違いなくオペレッタ「こうもり」ですが、これに関しては2度ブログで書いたことがありますので、今回は

 ワルツ「レモンの花咲くところ Wo die Zitronen blühen 」Op.364 1874年作曲 を。



 ランゲンバッハ・オーケストラとのイタリア楽旅中に作曲され、1874年5月 トリノ王立歌劇場で初演された曲。

 もともとは「ベッラ イタリア (美しきイタリア)」というタイトルだったのですが、シュトラウスは ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」に登場するミニヨンの有名な詩 “Kennst du das Land, wo die Zitronen blühen” をもとにタイトルを変更しました。

 この詩はトマの有名なアリアなどの付曲でも有名ですが (シューベルトにもある!)、ヴィルへルムへ恋心を抱くサーカス一座の少女ミニヨンが故郷イタリアへの想いを語るもの。

 トマなどの付曲は通常「君よ知るや 南の国」などと訳されますが「南の国」は「レモンの花咲くところ」の意訳なのですね。

 その意訳のせいで、この「レモンの花咲くところ」が逆に ミニヨンの詩からの引用であることが、あるいは それがイタリアを意味していることが判りにくくなっているという面があります。



 そうそう、このワルツのタイトルがさらにややこしいのは「シトロンの花咲くところ」という訳もあること。

 レモン・シトロン問題についてはまったく判らなかったのですが、詳しく調べておられるサイトがありました。

 それによると レモンとシトロンは同じ柑橘類ながら別物であるものの、独語・仏語・英語での呼び方・表記が煩雑で 日本では混同されてしまっているとのこと。

 しかし イタリアにはシトロンはほとんどないので、レモンが正しいとのことです。

 積年の疑問は解決、感謝です☆





 ところで このワルツ、あまり演奏されませんよね。

 第1のワルツは歌謡的で大変美しいのですが、全体的には 他の有名なワルツに比べると地味で 華やかではないのが原因なのでしょう。



 私がこの曲に愛着を感じるようになった おおもとは、子供の時に知った この美しいタイトルの実際の音を 長い間聞くことができなかったこと。

 初めて聞いたのは イーファ・リンドのCDでの ジュネー編曲による声楽版 (ジュネーは「こうもり」の台本を書いた指揮者) でしたが、その版は結構 華やかに編曲されています。

 とはいえ それによって特に好きになったわけではなく、その後 オリジナルの管弦楽版を聞いて、やや地味ながら 優美な美しさがあるのを気に入るようになったのです。



 今回 残念ながら ネットで楽譜は見られませんでしたが、曲は 導入部--A--B--C--B'--A'--終結部 という形でしょう。

 今回新しい試みを。YOU TUBE に 今年のウィーン・フィル・ニューイヤーコンサートでの この曲の演奏が投稿されていましたので、その時間表示を使って、どの部分か判って聞けるようにいたしました。よろしければお試しください。

 

  おお、人生初の「埋め込み」!



 [1] 0'05〜 導入部。優しいまどろみのような開始。ホルンを皮切りに管楽器が断片的な動機を奏でた後、ヴァイオリンとクラリネットによる美しいメロディ。短く盛り上がって--

 [2] 1'53〜 ワルツAの第1主題。これが本当に歌謡的。「南国のバラ」と同様 オペレッタの歌のメロディから採られたものかと思ってしまうほど。この曲を捨てがたい魅力としています。ジュネーが声楽版編曲を思いつくのも当然という感じ。

 繰り返しのあと、2'40〜 上昇音形による第2主題。これも優雅な雰囲気を湛えたもの。繰り返しのあと、3'16〜 快活な短いブリッジ。

 [3] 3'21〜 ワルツBの第1主題。ワルツA第2主題を引き継いだような優雅な主題。音楽が大きく膨らむのを無理やりやめるようで ちょっと不自然な感じがしますが、繰り返しではスムーズ。4'14〜 第2主題。繰り返し。

 [4] 4'45〜 ワルツC (中間部) の第1主題。チェロを中心とした優美な弧を描く動機と ヴァイオリンや管楽器のかわいい動機の対話。繰り返し。5'22〜 第2主題では 軽妙でかわいい動きが主役に。管楽による短いブリッジのあと、6'01〜 第1主題が戻ります。

 その後 6'37〜 短調による強奏のエピソード。

 [5] 7'03〜 ワルツB再帰 (繰り返しなし)。7'35〜 第2主題は原形を留めないほどに形を変え 緊張感のあるせわしない動き。その後 短く盛り上がった後--

 [6] 7'59〜 ワルツA再帰 (繰り返しなし)。8'27〜 第2主題で盛り上がりを作った後--

 [7] 8'50〜 コーダ。序奏部の美しいヴァイオリン主題が再現。短く盛り上がって 9'45 終了。



 こんな感じではないでしょうか。

 この曲は 序奏1、3つのワルツ各2と、主題7つでできていることになります。

 構造が判って聞いたほうが 曲を味わいやすいですよね。

 特にここが好き!は何と言っても 導入部からひとつめのワルツ。

 Cのワルツ、優美さと可憐さが魅力ではあるものの、もう少しファンタジックな盛り上がりがあれば 一般的な人気は上がったのでは と感じます。



 なお 私 なにぶん楽典音痴ですので、間違い あるいは よりよい表現がありましたら ぜひお教えくださいませ。
author:, category:♪この曲の♪ここが好き♪(百曲一所), 23:02
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