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いろとりどりの歌 第6曲「おくやまに」
 さて第6曲は 百人一首第五番
 ≪おくやまに黄葉踏み分け鳴く鹿の声きく時ぞ秋はかなしき≫ 猿丸大夫 (古今集・秋)

 9月14〜15日、キャンプ1泊で比良山系を登ってきました。

 これまでも ほとんど毎年のように キャンプ登山を楽しんできましたが、それらは皆 父と、日本アルプスなどの高山で、しかも山小屋に併設されている有料のちゃんとしたキャンプ場でした。

 しかし今回は ひとりで、関西の低山 (最高地点で武奈ヶ岳山頂の1214m)、そしてキャンプ場ではない 小さな “キャンプ適地”。

 “キャンプ適地” といっても 地図に載っているわけではありません。ネットで調べてみて いくつかの幕営記録を見ただけ。
 しかしそれだけに静かなキャンプができそう。
 川の水も飲用可能のようで、これは最高!とばかりに、ここをベースキャンプとする山歩き計画を立てました。

 大まかにしか場所が判らないうえ、先客がいたらどうしようと不安はあったのですが、場所もばっちり判り、しかも誰もおらず、到着した時はしぜんとガッツポーズ。

 万が一のため 飲用は沸かしましたが、水は使いたい放題。
 キャンプは水が命です。 −もちろんキレイに使わせていただきました。

 比良山系は比較的交通の便もよく、たくさんのハイカーを受け入れていますが、メインコースを一歩外れると奥深さがあります。
 それを楽しんでおりました。

 そして 日が暮れるのを感じていると、鹿の鳴き声。

 その後も何度も。 夜になってからも。

 これほど 鹿の鳴き声を聞いたのは初めて。

 しかもまるで女性の悲鳴のような鳴き声があったりして、一瞬ドキッとさせられました。

 そう、鹿の鳴き声は まるで悲鳴や嗚咽のように聞こえるのですね。

 そんな鳴き声に いにしえの人々は自分の憂いや悲しみを投影させたわけです。

 奥山に黄葉踏み分けるのは人間ではなく鹿で 詠み手は里にいるわけですが、人が奥山に踏み分けて そこで鹿を聞いたととれないこともない。
 となると 似た状況だなぁ…などと この歌を思い出しておりました。

             

 なお「もみじ」は「黄葉」で かえでの紅葉ではなく、萩の色づきとのこと。
 ということは初秋。
 鳴き声に 色づいた萩の下葉を踏み分けている鹿の姿を思い浮かべ、秋の到来ととともに悲しさを感じているわけです。

 作者 猿丸大夫は伝記不明で、「古今集」編集当時から伝説の歌人であったらしい。
 非命に倒れた貴人の仮りの名だとする俗説が多いそうです。
author:, category:いろとりどりの歌(百人一首鑑賞), 17:28
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