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メルマガ2010/06/26 実演と録音
 ●●実演と録音●●

 コンサートに目覚め、「ぶらあぼ」という無料の月間クラシック音楽情報誌
を読むようになりました。

 こんな演奏家が来日するのか、こんな演奏家ががんばっているのか と、
録音とはまた別の世界という感じで大変新鮮。

 というか、実演の世界こそ“実際”なんですよね!

 ラフォレ、アントルモン、ゲルバー、高橋アキという名を見て、録音では
過去の人という感じでも、彼らは別に引退したわけではなく、いわば本業の
実演でがんばっているのだ、ということに気づかされました。

 録音の世界が ある意味で偏った世界であることを思い知らされます。

 音楽は本来 演奏会場に聞きに行くもの。
 反復して聞くことができるものではなく、一度放たれて消えるもの。
 
 数百年、いや何千年もそういうものであったにも関わらず、ここ100年ほど
で、反復して聞けるものになった。
 その上 ここ数十年で まったく劣化しないものになった。
 さらにはここ数年は驚くほど安価に!

 それらのことは喜ばしいことではありましょうが、本来はそういうものでは
なく、録音は実演とは別ものということを肝に銘じておかねばならないで
しょう。

 “レコード芸術”とはよく言ったものです。
 それはいくつかの意味で音楽鑑賞の補完的な役割を担うものという感じが
します。

 それにしてもコンサート、やはり関東中心ですね。
 大阪に来てくれたら行くのになぁ、というものが少なくありません。
 かと言って、関東に住んでたら 目移りして、行きたいものが多すぎて、
逆に困ってしまいそう…。
 大阪くらいがちょうど手ごろなのかもしれません。

 そういえば以前、鳥取県にお住まいのお客さんに 大阪はいろいろ演奏会が
あっていいですね、と言われたことがありました。

 そんなところにも録音というものの補完的役割のひとつがあるようです。

 …

 つらつらと考えてみますれば、録音の補完的役割、いくらでも挙げることが
できますね。
 偏った世界であることは確かでしょうが、“補完”という言葉からはみ
出さんばかり。

 …

 どうやら音楽ファンにとって録音は、実演と同様に大切にせねばならない
もののようです。

 これは当然ながら、“レコード芸術屋”の端くれとしてはホッとするところ
であります。

 ***

 コンサート情報を見ていて思うのは、「学生だったらなぁ〜!」という今更
どうしようもない願い。
 相当安価で聞くことができ、うらやましい限りです。
 
 もし学生さんがおられましたら、わたしのように後悔しないうちに できる
だけコンサートに出かけてください。

 わたしは学生時代、母に「レコードばっかり買って!」とよく怒られました。
買ったレコードを 母に見つからないように自分の部屋に持ち込む方法に腐心
したものです。CDみたいにカバンに入らないですからね。
 コンサートなら、ひょっとすると怒られなかったかもしれません。
author:, category:MELUMAGA-2010-II〜, 22:37
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