20日、楽しみにしていた 映画「テルマエ・ロマエ」をTVで見ました。
私は映画やTVドラマをほとんど見ませんが、これは公開された時から見たいと思っていました。
私の好きな 知的なものを含んだコメディだろう という推測がその最大の理由ですが、イタリアでの試写会で イタリア人が大笑いしていたことも期待をおおいに高めました。
それでも映画館に行かない私。去年 フレッド・アステアの「バンド ワゴン」を見に行きましたが、新作を映画館で見たのは18年前にまで遡ります。
− ハドリアヌス帝統治下の古代ローマ。大衆浴場の建築家ルシウスは、タイムスリップによって現代日本の風呂などを見、それを参考にした斬新な大衆浴場建築で名声を上げる。−
かいつまんで言いますと そんなお話。
ルシウスは阿部寛、ハドリアヌスは市村正親。
なお THERMAE ROMAE とは ラテン語で「ローマの大衆浴場」という意味です。
日本の役者の芝居はリアリティを欠き、興味あるテーマの映画やドラマでもなかなか見る気になれないのですが (役者ではないタレントの出演が普通のことであることは 本格的な芝居を重視していない証拠でしょう)、荒唐無稽なコメディでは リアリティのなさがそれほど瑕疵にならない。
上戸彩も芝居がなっていませんでしたが、なんとチャーミングな “平たい顔族” (現代日本をローマの属州のひとつと思っているルシウスは日本人をそう呼ぶ) なんでしょうか☆
子供っぽいかわい子ちゃんかと思えば、古代ローマにタイムスリップしてしまってからは 不思議とおとなの色気が…。芝居は目を瞑って進ぜようという気にさせられました。
クラシックファンとしては、「アイーダ」「蝶々夫人」「トスカ」などのオペラからの曲が使われているのも興味深いところ。
一番面白かったのは、「アイーダ」の第3幕フィナーレ (ラダメスが捕まる場面) の音楽を使ったタイムスリップ時。
なぜか草原の中 それを歌う ドラマとはまったく関係のない歌手が現われるのです。
使用していた歌はプラシド・ドミンゴでは?
その部分、読売TV「たかじんのそこまで言って委員会」でも何度かVTR中の効果音として使っていたのですが、この映画のアイディアだったことが知れたことも 印象的であった理由のひとつです。
しかし 他の場面でのアリアなどは、歌の内容を知っている者としては ちょっと違和感も感じました。
コメディですからカタイことは言いっこなし なのですが、試写でのイタリア人は違和感を感じたことでしょう。
もし海外で製作されたヒミコの時代の物語に歌舞伎のBGMをつけていたら、いくらコメディでも おいおい…とツッコミを入れたくなるでしょうから。
まぁ 大いに楽しみました。
来年には続編が封切られる予定とのこと。楽しみです。
私が見るのは それでもTV放映で ですから まだまだ先のことですが。