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メルマガ2011.7.23 エーリェン ア マディャール Eljen a Magyar
 ●●エーリェン ア マディャール Eljen a Magyar●●

 ドップラーのハンガリー田園幻想曲を久しぶりに聞きましたが(ランパル、
井上二葉 / BVCC5090
)、その冒頭部分の“コブシ”を効かせたような独特の
節回しによるメランコリックなメロディは ホント日本の民謡を思わせますね。
 郷愁を誘います。若い頃はダサイ曲と感じていたのですが。

 この曲の日本での人気が 欧米に比べて突出していることはよく知られている
ところ。
 ランパル盤のライナーノート、故 三浦淳史氏によれば、すでにSP時代から
愛されており、マルセル・モイーズの録音は飛ぶように売れたそうです。
 
 アルベルト・フランツ・ドップラー(1821−83)はポーランド生まれ、
ウィーン宮廷歌劇場の首席フルート奏者を経て 首席指揮者にまで登りつめた
音楽家ですが、若い時にブダペストの歌劇場の首席フルーティストを務めて
いたそうです。
 詳しいことは判っていないものの、この曲はその時期に作曲されたのだろうと
考えられているとのこと。

 それにしても気になるのは、このメロディは民謡を元にしているのかどうか
ということ。その出自を聞いたことがない。

 ハンガリーの音楽には、確かに東洋的と感じさせる曲がありますが、それらは
あくまで“東洋的”で、ハンガリー田園幻想曲のように、日本人の郷愁を誘う
ものでは決してないですよね。

 ハンガリー田園幻想曲の馬子唄を思わせる独特の節はどのようにして生まれた
ものなのか 気になるところです。


 ハンガリーの中心民族であるマジャール人は もともとアジアに住んでいた
フン族を起源としている、などと言われてきましたが、これ どうやら事実
ではないようですね。

 4世紀後半 アジアからヨーロッパへ移住を開始し、英雄アキラ(ヴェルディ
がオペラ化している“アッティラ”)のもとでハンガリーを含む大帝国を築き
上げたフン族(ただしアキラの死後に分裂)。

 一方マジャール人も元来アジアに住んでいて(ウラル山脈の中南部から南
あたり)、9世紀以降ハンガリーへ移住してきたのは事実ですが、フン族とは
別の民族とのこと。

 マジャール人の伝説では 伝説上の英雄シャバがアキラの系譜に連なる と
あり、マジャール人自身も古くはそう信じていたようですが、現在では決して
そうではないらしい。
 昔はフン族の威を借りるほうが得策だったのでしょう。
 しかし後には アジアから来た蛮族の子孫と思われることが損になって
しまったに違いない。

 “ハンガリー”という語は “フン族のガリア”からきている なんて 昔 本で
読んで、数年前ブログで書いてしまいましたが、これも俗説に過ぎないとの
ことです。ショップを始める前のブログでよかった…。

 なお ガリアとは 古代において 文明人ローマ人から見た ローマ人以外の
未開人というような意味です。

 ***

 ハンガリーは大変多くの優秀な音楽家を輩出していますが、そんな中でも
指揮者のジョージ・セル(セル・ゲオルク)、フリッツ・ライナー(レイネル・
フリゲシュ)、ゲオルク・ショルティ、ピアニストのリリー・クラウス、
アニー・フィッシャーといったところは、メロディを美しく歌わせることより
も、速めのテンポでリズム感の際立ったダイナミックな音楽作りをし、また
時に憑かれたような集中力を発揮し、エネルギーに満ちた白熱があるという
共通点がありますよね。

 マジャール様式とでも言うようなスタイルがあるような気がします。

 そうした特徴は、ハンガリー語が第一音節にアクセントあって なんとなく
前のめりの抑揚として聞こえることと合致すような気がしますし、またヨハン・
シュトラウスの「こうもり」に出てくる ロザリンデ扮するハンガリーの伯爵
夫人が極端なアクセント、あるいはキツイ巻き舌によってドイツ語を話し、
激しい情熱を持った女性に描かれていることを思い出させます。

 後者の戯画化されたイメージの喚起は ハンガリー人にとっては迷惑千万
でしょうが。

 いずれにせよ男性的で骨太な音楽作り。

 アキラの強力な騎馬部隊を想像したとしても あながち的外れではない
ような…。

 フン族のガリアでハンガリー。

 語呂もいいし、やっぱり捨てきれない なんて感じてしまいますが、そんな
イメージとはまったくかけ離れたスタイルだったユージン・オーマンディ
(本名ブラウ・イェニー)からクレームが来そう。

 それにアンドラーシュ・シフなんてとても繊細で クラウスやフィッシャー
よりもずっと女性的な演奏をしますよね。

 近年はグローバル化によって 昔のようなマジャール・スタイルも廃れて
しまっているのでしょう。


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 (あれ 音楽については!?) 1週間に1度更新する予定です。

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(「ブンテ」は書くのが大変で重荷になってしまった!
 もちろんやめるのはそれだけの理由ではないのですが…)

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author:, category:MELUMAGA-2011, 00:03
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